益進から皆様へ2018.10.03(更新日:2022.11.05)
金沢市主計町の『暗がり坂』
加賀藩士・富田主計(とだかずえ)の屋敷があったことに由来する金沢市主計町(かずえまち)は、今から約28年前の1990年10月1日に全国で初めて旧町名が復活した町でもあります。
尾張町方面から向かって、浅野川大橋の右手が、金沢市の中でも有数の観光地でもある「ひがし茶屋街」があり、浅野川大橋の左手が主計町となっています。
主計町のメインストリートは、浅野川に面しており、「男川」と例えられる犀川に対して、「女川」と例えられる浅野川の優しい流れとあいまって、主計町は、どこか清純な雰囲気が漂っています。
晴れた日に、この辺りをお散歩してみると、とても気持ちが良いです。
そして、主計町には、昼間でも少し薄暗い裏通りがあり、そこに『暗がり坂』と呼ばれる魅力的で不思議な雰囲気がある坂道がございます。金沢市には、高低差のある複雑な地形も存在する為、数多くの坂も存在します。
『暗がり坂』は、主計町と坂の上にある久保市乙剣宮という神社を結んでいて、かつて旦那衆が人目を避けて茶屋街に通うために使われてきたとされています。
久保市乙剣宮の向かいは、金沢市の文豪である泉鏡花の生家のあった場所で、現在は泉鏡花記念館となっており、泉鏡花が子供の頃、この『暗がり坂』を通って学校へ通ったという説もございます。
『暗がり坂』は、時間帯によって、全く別の表情を見せてくれます。当然、季節によって印象も変わりますので、何度でも訪れる楽しみがあります。
金沢市には、まだまだ魅力的な坂道がたくさんございますので、是非、足を運んで見て下さい。