益進から皆様へ2019.02.04(更新日:2022.11.05)
人口移動から見る『地方創生』の現状
総務省が1月31日に公表した外国人を含む2018年の人口移動報告によると、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)は転入者が転出者を13万9,868人上回る「転入超過」となった。(2月1日付の北陸中日新聞より)
これは前年より1万4,338人多く、東京圏への一極集中が拡大した事を意味し、日本人に限れば23年連続の転入超過であり、また、全市町村の72.1%は人口流出を意味する「転出超過」の状態にある事から、安倍政権の看板政策の一つである『地方創生』の効果が見えないと言えます。
政府は2020年に東京圏と地方の転出入を均衡させる目標を掲げ、地方の雇用創出や中小企業支援、政府機関や企業の地方移転、若者の移住促進、農村部の集落機能強化などを展開してきましたが、今回の結果を見るに、東京圏への人の流れを変えるまでには至っていないと言えます。
『地方創生』を実現する為には、進学や就職、転職や企業の移転検討時に地方で暮らす事や地方で働く事に多大なメリットがあるという事や、いかにそれらが魅力的な事であるかという事が、多くの人たちの実感や共感のもとに存在しなければならないと思います。
その為、現状の政策では、今後も東京圏への人口の集中の流れは変わらないと考えられますので、今こそ抜本的な政策の見直しや思い切った政策が必要になると思います。(極端な例で言えば、地方に移住、移転した場合に相続税等の優遇が受けられたり、企業が地方に出店した場合に法人税等の優遇が受けられる等や東京に本社を置く大企業が本社を各地方に積極的に持っていくように働きかける等)