良好なビルの環境は入居者の皆様でつくるものです。
ビル等の共用部分(廊下や階段、階段下など)に動産や私物を置く行為は、他の入居者の通行の妨げになるばかりか、ビルの美観上の問題もございます。
また、美観上の問題や他の入居者様の通行の妨げにならない場合でも、
防災上・消防上において注意勧告の対象となることがございます。
アパートやマンションでも共用部のトラブルはございますが、ビルや事務所等においても複数のテナント様が入居する物件にも同様の問題が発生する事がございます。
リンク先の記事はアパートやマンション等の共同住宅について触れていますが、記事の内容をビルや事務所に置き換えても、
基本的な考え方に変わりはございませんので、リンク先の記事を少し事業用にアレンジして下記に記載させていただきます。
「ちょっとだけ」の気持ちで置いたものを他の人が見て「あのうちも置いているから私も置こう」と置く人が増え、
「注意されないからもう少しくらい増えても大丈夫だろう」と置く量も増えていくのが、
共用部に動産や私物を置くトラブル悪化のメカニズムです。
そして、建物のオーナー様や管理会社がとても困るのが、それらの動産や私物を注意したときに、
「今までもずっと置いていたのに今さら注意されるのはおかしい」と言われたり、
「あの人も私物を置いているのに私だけ注意されるのはずるい」と反論されてしまったりすることなのです。
共用廊下や階段、階段下に動産や私物を置かないように注意するのは、
入居者様やビルの利用者様全員の安全の為や、ビルの環境を守るためなので、
おかしい、ずるいという議論になると本当に困ってしまいます。
置くものの種類や量、置いている期間について、どこまでが良くてどこからがダメかという決まりをつくるのは本当に難しく、
テナント同士でクレームになった場合は、「全てダメですよ」と言わざるを得なくなります。
共用廊下や階段、階段下は日常的に目に付きやすい部分なので、自分は普通に使っているつもりでも、
もしかしたら苦々しく思っている人がいるかもしれません。
心当たりのある方はクレームになっていないうちに気をつけていただけると、
ご自分も嫌な思いをしなくて済むと思います。
クレームを言って来られる側は「うるさいと思われると嫌なので、自分が苦情を言ったと相手に分からないようにしてほしい」と匿名を希望される場合がほとんどです。
注意された方は誰に言われたのか分からず謝ることすらできません。
同じビルのテナントの方々に不快に思われていたのに、その相手が誰だか分からないというのはやはり気分が良いものではありません。
共用部に私物等を置いている方は、他人から指摘される前に、わが身を振り返り、気を付けましょう。
逆に、他の人の置いている荷物が増えたり起きっぱなしになっていたりしていることに気がついた方は、
ひどくなってからでは解決に時間がかかってしまうので、ぜひお早めに管理会社にご連絡をお願いします。
お互いが節度をもって、自分は良くても他人の迷惑になったり不快に思われたりする可能性があるという視点をもつことが、
良好なビル環境を形成することだと思います。