国土利用計画法による土地売買等の届出
国土利用計画法とは、重要な資源である国土を、総合的かつ計画的に利用する為に必要とされる規定をおく法律であり、昭和49年6月25日に制定され、土地利用基本計画の作成や、土地取引の規制を定めています。(Wikipediaより)
また、国土利用計画法では、土地の投機的取引及び地価の高騰が国民生活に及ぼす弊害を除去し、適正で合理的な土地利用の確保を図る為、(1)事後届出制、(2)注視区域及び監視区域における事前届出制、(3)規制区域における許可制を設けています。(国土交通省HPより)
(1) 事後届出制
事後届出制は、一定面積以上の土地取引について、利用目的の審査を行い、利用目的が土地利用基本計画等の公表された土地利用に関する計画に適合しない場合、利用目的の変更の勧告・是正を求めたり、助言を行う制度であり、土地の権利取得者(売買の場合であれば買主)が契約締結日を含めて2週間以内に土地の所在する市区町村を経由して都道府県知事に、土地の利用目的や取引価格等を届け出る必要があります。届出が必要となる面積は下記の通りとなります。
① 市街化区域 2,000㎡以上
② ①を除く都市計画区域 5,000㎡以上
③ 都市計画区域以外の区域 10,000㎡以上
尚、2週間以内に届出をしなかったり、虚偽の届出をすると、6ヵ月以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。
(2) 注視区域及び監視区域における事前届出制
注視区域とは、地価が一定の期間内に社会的経済的事情の変動に照らして、相当な程度を超えて上昇、または上昇する恐れがあり、適正で合理的な土地利用の確保に支障を生じる恐れがあると認められる区域として、都道府県知事または政令指定都市の長が区域を指定します。尚、平成10年9月の改正法施行以来、現在まで指定された区域はございません。
監視区域とは、地価の急激な上昇または、その恐れがあり、適正で合理的な土地利用の確保が困難となる恐れがあると認められる区域として、都道府県知事または政令指定都市の長が区域を指定します。尚、現在、監視区域が指定されているのは、東京都の小笠原村のみとなっております。
注視区域・監視区域に指定されると、その区域内の土地取引については、契約(予約を含む)締結前に当事者(売買の場合であれば、売主及び買主)の届出が必要となり、土地の利用目的に加えて、取引価格が著しく適正を欠く場合には、取引の中止又は変更を勧告される事があります。
(3) 規制区域における許可制
規制区域とは、土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われる又はその恐れがあって、地価が急激に上昇、または上昇する恐れがあると認められた区域として、都道府県知事または政令指定都市の長が区域を指定します。尚、国土利用計画法の施行以来、指定された区域はございません。
注視区域、監視区域、規制区域については、現時点で石川県内に存在していませんので、実務的には、事後届出制の届出要件等が重要となってきます。