用途地域について③『商業系』、『工業系』
前回の記事では、『住居系』の用途地域の特性等について書きましたが、今回は13種類ある用途地域の内、所謂『商業系』、『工業系』の用途地域のそれぞれの特性等について記事にしたいと思います。
① 近隣商業地域
近隣の住民が日用品の買い物をする店舗等の業務の利便の増進を図る地域であり、ほとんどの商業施設や事務所の他、住宅、ホテル、パチンコ、カラオケボックス、映画館、倉庫や小規模の工場も建設できます。
イメージとしては、駅前の商店街であり、小さな商店の集合体から場合によっては、中規模以上の商業施設まで考えられます。
② 商業地域
主に商業等の業務の利便の増進を図る地域であり、近隣商業地域で建設できる建物の他、広義の風俗営業やそれらに関する施設の建設、高層ビル群も可能。
イメージとしては、都心部の繁華街やオフィスビル街であり、工場関係以外はほぼ何でも建設可能といえる地域であり、商業地域で住宅を取得した場合、住宅の隣のラブホテル等が出来る可能性もある。
③ 準工業地域
主に軽工業の工場など、環境悪化の恐れのない工場の利便を図る地域であり、住宅や商店も建設できますが、危険性・環境悪化の恐れが大きい花火工場や石油コンビナート等は建設できません。
④ 工業地域
主に工業の業務の利便の増進を図る地域であり、どんな工場でも建設でき、住宅や商店も建てられるが、学校、病院、ホテル等は建設できません。
イメージとしては、大規模な工場の近隣に社員寮やスーパーがあるような状態。
⑤ 工業専用地域
工業の業務の利便の増進を図る地域であり、どんな工場でも建設できますが、住宅や物品販売店舗、飲食店、学校、病院、ホテル、福祉施設などは建てられません。住宅が建設できない唯一の用途地域であり、イメージとしては、京浜工業地帯などに代表されるような湾岸地域などで石油コンビナートや製鉄所、花火工場なども建設できます。
以上が『商業系』、『工業系』の用途地域になります。用途地域によっては、建設できない・営業できない建物の種別等がございますので、注意が必要です。用途地域における建築物の制限等についてはコチラをご参照下さい。(あくまでも参考程度にご覧下さい。)